朝令暮改とは、こういうことさ

 昨日の夕刊と今朝の朝刊を読んでいたら、そんなフレーズが頭に浮かびました。
 今の政治家さんたちは、何故、有権者から胡散臭く見られているのか、ちっとも理解していないのね。よく言えば臨機応変、柔軟という言葉で表現できるのでしょうが、どう考えても無定見で、政策や信念があるようには見えない。
 その事を痛感したのは、前名古屋市議長の発言。先日行われた住民投票が危ぶまれた時、河村さんは市長を辞職して民意を問うと発言。その通り辞表を提出しました。その後再審査が行われて住民投票が実施される事に。そうと決まった時に前議長は「もう辞めなくてもいいじゃないですか」と発言。もしも本気で言っていたら、政治センスのなさを暴露したというもの。政治家が自分の言った事を撤回したら信用されなくなるってもんよ。
 まぁ、だから今回のような事を言うのね。自分たちの政治活動には年収1600万円+αが絶対に必要だ!という信念があるならば、その通りに行動するべきなのに、市民がそれを支持してくれないから手のひらを返して半減OKって・・・ねぇ?
 そして今日読み終えたもの。

バトル・オブ・ブリテン―イギリスを守った空の決戦 (新潮文庫)

バトル・オブ・ブリテン―イギリスを守った空の決戦 (新潮文庫)

 第二次大戦というとドイツ軍の電撃戦の栄光と東部戦線の泥沼が有名なのですが、これはその初期。ヨーロッパがほとんどドイツ側かドイツに破れるかしていた時期に戦われたブリテン島の攻防です。
 後から考えると当時のドイツにイギリス上陸作戦が行えたのかどうか、かなり微妙なのですが、しかし双方とも制空権を握った者が制するという事を理解していたようです。優勢な艦隊を持つイギリスも制空権を奪われたら上陸作戦を阻止できないと判断しており、ドイツ側もイギリスの防空能力に壊滅的打撃を与える事が鍵と、大編隊を編成して攻撃します。
 ドイツ側はスペイン、ポーランド、フランスで経験を積んだ猛者。Me109は空戦能力、スピードに優れた戦闘機。ただ航続距離が短く、爆撃機の護衛をしてもロンドンで十分間しか空戦ができない。
 イギリス側は義勇兵を外国人からもかき集めてそろえても戦闘で消耗すると、育成が不十分なパイロットを投入せざるをえない状態。ただし攻撃機としてのハリケーンと戦闘機としてのスピットファイアーはMe109に十分対抗でき、そしてレーダーを基幹とする防空システムを構築していました。
 とはいえ初期は、今でも戦闘機の基本戦術である四機編隊で戦うドイツ空軍が優勢で、イギリス側は粘り強く戦うしかなく、一時は戦力が枯渇して崩壊寸前まで追い詰められましたが、その頃ドイツが戦略転換した為に崩壊を免れ、ドイツは対ソ戦に突入。イギリスはかろうじて制空権を守りきった、というお話。
 参戦したパイロット、地上整備員、補助員たちのエピソードが豊富にあり、被弾した人たちがどんな状態になるのか赤裸々に書いてあります。まずは客観的でしょうか。
 イギリス人って、こういう醒めた目線で記述させると旨いなぁ、とか思ったりもします。翻訳者の力量もあるかも。