妙にくしゃみが止まりませぬ

 雨が降っているのに花粉症?ではない。体調を崩しているのが鼻にきたのかな?なんにせよ、気をつけなくちゃ。というか早寝しろと。そうですね、はい。解っているけど、自分の中でスルー(マテ
 さて、やっと読み終わりました、『スカイ・クロラ
 これを青春小説と理解する人は・・・どういう青春時代を送ったのですか?と問いたくなり、命の大切さを感じて欲しいという某監督にいたっては、深読みするとそうなるけど、そういう解釈はストレートにはできないのでは?とか思ったりする。
 んで、自分が感じた事は、酷く無邪気で残酷な物語だな、という事。思いっきり空を飛びたい、自由に飛ぶために戦闘機に乗り、憎しみも怒りもなく、仕事として引き金を引く。仲間が死ぬことは残念だが、それに関して敵を恨む事もしない。相手に対して敬意を持ち、そして引き金を引いている。そしていつか自分も死ぬのだろう。死ぬときは空で死にたい。・・・しかし卓越した技術を持つ主人公たち「キルドレ」は戦闘機乗りのエースとして生き残る。殺されなければ死なない。不老に近い「キルドレ」たちは、だから生きる事に飽きて自らの不必要な記憶を消していく。まるで夢の中を生きているような感覚・・・。
 物語の中でも確認できるキルドレは何人もいるけれど、それぞれの記憶、自我は曖昧で、殺されると生きているキルドレに統合されていくような、そんな印象さえ受ける。最後に発行された短編集の、最後の話で、登場した人物は道行く人には女性に見え、そして旧知のフーコには男性と見える。戦闘機乗りである事をやめた彼らは一体どうなるのか。それらはまったく語られていないし、語る必要もないのでしょうが、全てが曖昧模糊としていて夢の中の物語のように感じます。「現代の寓話」って帯に書いてあったように思うのですが、寓話・・・なのかな?
 夢の中の、残酷な夢物語。私にはそう感じました。生きる事に喜びを感じない。空を飛ぶ時だけ笑い、空で死ぬ事を夢見て、それすら果たされない子供たちの、切なくて残酷な物語。
 小説の読み方、捉え方は人それぞれでいいし、自分が感じた事を押し付ける気もないのですが・・・まぁ青春小説と感じた人は、どうかと思いました。
 結構好きだけど、こればかり読んでいるとヤバイなぁ。