おっと、今朝はややまったりです

 ここんところ本業がバタバタしていたので。今朝は仕事量が減りまったりモード・・・いや、あんまり良くないのですが。
 お陰でようやく本が一冊読みきれました・・・いや、あんまり良くないのですが。

ユーゴ内戦―政治リーダーと民族主義

ユーゴ内戦―政治リーダーと民族主義

 民族主義的生存圏の確保を、それぞれの陣営が目指した戦いだった為に、どの勢力も戦いを自力では終結できない戦争だったという事が解りました。つまり、セルビア人とか、クロアチア人とか、ムスリム人とか、自分たちが自立的に生きていく領域を欲している訳なんですが、自足できる土地を確保してしまえばボスニア全土の征服など関係ない、と考えたわけですね。
 それに貧困に根ざした生活トラブル、それによる経済格差の不満、それを民族の違いによるものと理解した瞬間に他民族との共存は、すくなくとも一つの村、一つの町、一つの自治体単位ではできなくなってしまうので、どうしても対抗する民族を殲滅するエスニック・クリージングを行う事が憎しみの連鎖をつなげていくという・・・まさに泥沼。
 生きていく事ができればいい。多くを望まないという一般人にとっての美徳が、こういう場合、負の連鎖を引き起こすという・・・あうあう。
 政治リーダーの統率不足をこの本はあげていますが、真面目で真摯な人ほど、政治には人を騙す要素が必要だという事に気付かないもので、結果的に平和を確保できるなら何でもするという雰囲気もなかったようですし、ほんと、戦争と言うものは始めるのは簡単だけど、終結させるのは難しいものです。戦争で全ての問題が解決できる訳ではないし、新たな問題は必ず発生するし、問題を常に解決していく気力や意欲や野心というものが人間が生きていく為には必要なんだよなぁとか、そんな事を深読みしたりしましたよ。