あ、Bonnie Pinkのツアー予定が発表されてる

 アルバム情報がないかといつも覗いているのですが、そっか、一般発売は8月か。今年はベスト版の時の狂乱もなさそうだし、一人で行ってみようかしらん。いつも行きたいなー、と思いながらチケットを買いに行かなかったんですよねー。よし。今年は行く事にしよう。新しいアルバムは発表されるのかどうか解らないけどネ。
 全然関係ない事だけど、よそ様の日記で「平和主義者は戦争反対言っていればいい」とか書いてあって、「ふざけんな」ってコメントを書いた事を思い出しました。いや、食糧サミットの報道を見てね。
 自分は戦争の原型は『強盗殺人』であると思っています。それで何故『強盗殺人』が行われるかというと、この際生活破綻者は除外します。どんな社会にも発生するものですから。問題なのは、ごく一般的な、というか大多数の人間が『強盗殺人』を行う事態。それが戦争だと思うのですが、この人々が他人の財産や命を奪わなければならなくなる状態というのは、一体なんなのか?
 ごく一部の人間の私利私欲や野心が戦争を引き起こすという解釈が第二次大戦の戦争裁判の基調なんですけど、いわゆる独裁者といえども大多数の人間の意志を無視して政治を行う事はできません。むしろ、多数の人間の支持を得なければ政権を運営できないため、他国に戦争を吹っかける独裁者の方が国民の意見を吸い上げる事が多いのではないか?と思います。
 それでは何故、一般の人たちが他人の財産を奪おうと思うのか?
 歴史的に見て戦乱のきっかけは天候不順、それによる作物の不作、飢饉、飢えを原因とした疫病、などなど社会不安から惹起されます。
 日本において武家政権が確立された十二世紀末は、十世紀までの温暖な気候が変化し、浅間山の噴火による噴煙等の影響で気温が下がり、飢餓が常態化した『末世』でありました。自分の村だけでは食えない。他人から奪わなければ生きていけない。だから武装して他人から食べ物を奪う。奪われてはならないから、守る為にも武装する。そうやって底辺の武士が形成されていきます。飢饉によって荒廃した土地を再開発し、それを領地化する事で武士団が徐々にできあがり、やがて政治的発言をするようになります。
 同じ頃、ヨーロッパでは十字軍運動が盛んに行われました。余剰の食えない人々が、『乳流れる土地』であるキリスト教の聖地へ食う為に向かいます。過酷な旅であるしイスラム側の反撃もあって一般植民は成り立ちませんでしたが、十字軍の熱狂は宗教的なものだけでなく、食う為の、生きる為の切実な行動であったのだと思います。
 中国では北宋が弱体化し、遊牧民の侵略を受けます。北宋自体の金属疲労的衰退もありますが、暴力を日常とする遊牧民が食う為に南下し、それを撃退するだけの力が中国側になかったのかも知れません。そういえば北宋末はお定まりの反乱が頻発しますが、それも食べられなくなった民衆が立ち上がったと理解する事もできます。
 日本の戦国時代も、天下を争う事が目的ではなく、自分の家臣、領国民をいかに食わせるかが最大課題でした。織田信長天下布武にいたる思想変化がいまいちはっきりせず、最初から彼が将軍になりかわるという野心を持っていたように理解されていますが、たかが尾張の国人階層出身武将でしかなかった彼が、そんな大それた事を始めから考えていたと思う方が『小説的』ですよね。
 第二次大戦の日本は国内景気をなんとかする為に満洲へ進出し、ソ連に対抗する為に後背地の中国を平定するという目的で泥沼の戦争に陥りました。ドイツでさえ第一次大戦で失ったドイツ人居住地区を取り戻し、虐げられたドイツ人を助けるという目的でナチスは戦争を開始しました。領土的野心を隠すためといえるかも知れないけど、それでも国民が納得する理由ではあったのです。第一次大戦では負けていない。我々は不当な賠償要求をされていると、ドイツ人は考えていたのですから。
 食糧生産者が利益を得る為に、温暖化対策ということでバイオ燃料を生産するのは理解できます。それと天候不順によって飢饉が発生し食糧価格が高騰しています。加えて投機資金の多くが石油などの鉱物資源に投資され、原材料の価格を上げて、それらが不景気の悪循環をつくりだそうとしています。今のうちに有効な手段を考え出さなければ、途上国を中心に飢餓が起こり、それが新たな戦争の火種になる恐れがあります。
 戦争というものは一握りの愚かな野心家が起こすものではないのです。そこには必ず生き延びる為の切実な願いや、満たされない不満があります。
 平和主義者というのならば、それらをどうやって解決すればいいのか、日々考えて欲しいのです。
 口だけ反対と言って能天気にすませるなら、平和主義者といって欲しくない。それではどこかのいるだけ野党と同じじゃないですか。そういう野党を軽蔑している人間としては、『戦争反対』とお気楽に言われると何だか腹が立ってしまう。
 すみません。何だか堅い話が長々と続きました。あうあう。