昼まで爆睡

 季節柄のせいかよく眠れます。眠りにつく時間が遅いという事ですね。春から夏にかけての早寝早起きはどーしたんだよっ!
 まだ途中なんですが内田百間さんの『ノラや』を読んでいます。
 おっ、変換一発で出た・・・と思ったらでなくなった。アレ?まぁいいや。
 というか、登録したら文字化けした。ですから今表記されているのは訂正した昔の筆名です。これだからPCは信用ならねぇ・・・。
 ノラとは野良猫の親から生まれて何時の間にか内田家に住み着き家族となり、一年後に失踪した内田さんの猫の事です。
 ノラが失踪してからの嘆き悲しみ様は想像を絶するほど・・・と私には読めました。まぁ、つい最近振られた事を思い出せば理解できない事もないのですが、それにしても引きづり方が長い。
 猫を飼っている他の人から、いなくなっても何ヶ月後かにはひょっこり帰ってくる事がある、と聞かされて思い切れないところがあるのでしょう。新聞広告は打つわ、折り込み広告を入れるわ、友人知人、教え子全てを動員してノラを探しています。特徴を書き、謝礼に三千円を申し沿えて。昭和三十年代の三千円ですから今の数万円ぐらいの価値はあると思う。当時七十に手が届く内田さんは、半ば隠居でも文名が高く有名人で、ついにはご本人の預かり知らぬところから産経新聞やらNHKまでネタとして取り上げる始末。
 結局ノラは帰ってこず、最晩年になっても内田さんはその事を思い返しては悲しみに浸ってしまうようです。
 息子さんが夭折した事は何度も作品に出てきます。もう一人娘さんがいらしたようですが、今のところ読んだ作品にはその後の姿が出てきません。『大王様』と門下の方から言われる内田さんですが、家庭的にはかなり寂しいところがあるように見えて、それが愛猫失踪を余計に悲しませたのかもしれません。
 しかし・・・ねぇ。奥さんも言っているけど「足蹴にしたりいじめていたりしていたから、こんなに落ち込むとは思わなかった」って。ご本人は奥さんがノラを抱いて赤ん坊のように話し掛ける姿が大好きだったようです。
 男というものはこういう愛情の抱き方をするのかもしれませんネ。それを受ける方は迷惑だと思うに違いない。自分もそうしていたのかもしれない。反省しよう。