暑いです。

 それも蒸し暑いです。夏みたいですね。しかし週間天気予報を見ると明後日から日曜日まで雨みたいです。梅雨みたいだ。やめてくれろ・・・。
 例によって高島俊男氏のエッセイ集『本と中国と日本人と』から、『いけない岩波』を見つけました。いや、私は確認していませんが、私でも「こいつは酷い」と笑ってしまった箇所があるので、前に岩波文庫の『西遊記』を褒めたから、これでバランスが取れるのではないかとか、なんとか(そんなの取らなくてもイイデスカ?)
 批判の対象は幸田露伴の『露伴随筆集』の注。漢文の注でも酷いらしいですが、これは私にはピンとこなかったので中国史に関する部分。幸田露伴という人は随分博識で冗談好きの、そしていい文章を書く人だったようで(という事は私は読んだ事がないとゆー、無知を暴露している)、色々と小ネタを使っているようですが、それに注がついている。で、やっぱりひどい。
 『瓦舎』という言葉があるのですが、これは宋の時代の盛り場の事なんですが、これが『南北朝時代の宋』って書いてあるらしい。確かに中国史上『宋』という国号を持つ王朝は二つありますが、『瓦子』とか『瓦舎』とかいう言葉は経済成長著しい『北宋』時代になって出てくるわけで、ようやく長江以南の開発が波に乗り始めた南北朝の『劉宋』時代は、貴族社会が隆盛を誇り、庶民レベルにその恩恵が降りてきている時代ではないのです。ちょろっと調べれば解ります。私が知っているくらいだもの。
 次、『王粲』という人のこと。蜀の人って書いてあるらしいっすよ・・・三国志ファンが怒るぞ!この人は魏の高官で文人、もともと荊州に割拠していた劉表という人の幕下にいた。蜀の創始者劉備とはニアミスがあったかも知れないが、とっとと中原の魏、つまり曹操に降伏しています。
 岩波だからって信用すると、恐ろしい事になりますねぇ。・・・まぁ、何でも鵜呑みしないで裏を取れって事なんですね。