曇り・・・はれ?

 今日は日食の日です。悪石島では皆既日食だそうで、名古屋でも十一時ぐらいに7割の部分日食が見れるとか・・・だから観察用の眼鏡がないって言っているじゃん!!なんとなーく隠れているのが見えるでしょうかね?その前に雲に隠れてしまうかも知れませんが。バタバタ仕事が入ったら、もうそれでアウトですけどネ。
 天体観測絡みじゃないけど、昨日読み終わったもの〜

ストリンガーの沈黙 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

ストリンガーの沈黙 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

 先日読んだ『ウロポロスの波動』の続編です。地球圏対AADD。そして『未知との遭遇』。作者としては一番頭をひねったのは『未知との遭遇』部分なんでしょうが、個人的には地球圏対AADDの戦争・・・紛争?の部分が好きです。地球側が貨物船を質量弾にしたててAADD側の監視衛星三つを同時破壊。それと同時に火星の都市と天王星軌道上のAADDのエネルギー拠点(ブラックホール)を艦隊で攻撃する訳ですが、地球と同じような戦術手段で彼らを圧倒しても、紛争の火種は残るからってAADD側は正面戦力をあまり持っていません。しかし欺瞞技術は圧倒的で、天王星軌道に向かった艦隊は高加速できる貨物船の襲来を恐れて回避行動を取り続けたあげく推進剤が不足して侵攻が遅れ、火星を中性子弾道で虐殺しようとする地球のミサイルは対隕石迎撃システムでことごとく撃ち落とされる。しかしAADD側には決定的な戦力がない。じゃあどうするのかというと、水星軌道にある太陽風コントロールシステムを使って地球に向かって太陽風を吹き降ろしてやる。すると、電磁場の異常で地球の無線システムはことごとく麻痺。通信不能。先進国のインフラはストップ。つまり戦争しようにもできない状況になってしまい、太陽系で力があるのはどっちだ?って話になって紛争終了。
 ハードSFであって戦記ものじゃないから事細かく戦争の描写なんてしなくていいけど、でもこういう発想の転換で戦争が終了するというのはとても愉快な話だと私は思うデスよ。戦争で戦死したのはAADDの衛星スタッフだけって事で、戦死者だけなら敗者よりも勝者の方が多い。そして地球にとっては決定的でもAADDにとっては懸案であった問題が一つクリアされただけで、ぶっちゃけ負けた地球側をどうこうする気はサラサラない。彼らにとっては同時に危機的状況であったブラックホールの事や、『未知との遭遇』の方が優先順位が高いんですよネー。こういうところが、なんか好きだナァ。
 戦争と言うのはトラブル解決の一手段に過ぎず、やらないに越した事はない。やってしまったらできるだけ『なかったこと』にしてしまう。しかし勝者が誰なのかはっきりとした形で終わらせる。こういう手法が次の戦争を防ぐ一番いい手立てだと思うのですが、現実はなかなかそうも行かないようです。