あ、全部見ていなかったのか

 昨晩三部作の三作目を見終って、自分が全てを見ていなかった事に気が付くたわけ者がここに。

 あ、こういうラストだったのかー・・・へー・・・ってというのが見終った後の感想でした。一作目は十六年、三作目でも十二年前の作品ですから、画像的、演出的な粗というのは解ってしまいますが、物語としては一つのエポックメイキングな感じです。機械側を壊滅させて終結という、ハリウッド的な結末ではないところが、なかなかいいのではないのかと。
 印象的なのはラストシーンで機械側の統率を司る『設計者』が『預言者』に「約束を守るの?」と尋ねられ、「私は人間ではない」と答えるところ。これは欧米人には人間というものは裏切って当たり前、という観念があるからでしょうか?
 欧米が文明の源流としているのはキリスト教化された、歴史を知っている人間からすると『似非』ローマ帝国なので余計そうなのかも知れません。キリスト教化される前の、最盛期のローマは『契約』『約束』を守る事に人間としての意味と価値を認めており、それを破る者は人間、すなわちローマ人が考えるところの『文明人』ではないと認識しています。
 ・・・つまり現代人は古代の、最盛期のローマ人からすると『文明人』ではない人が多い、という事なのですかね?まぁ当のローマ人も、だからこそ詐術を弄して「契約に書いてない」なーんて事は日常茶飯事だったのですが。
 割と『設計者』にシンパシーを感じてしまいましたね。