エルゴプラクシー

 以前に同じ監督さんがつくった『ウイッチハンター・ロビン』・・・だったかな、題名うろ覚え・・・のDVD−BOXに、この作品の宣伝が入っていました。その時は、「なんじゃい、このアイシャドーばりばりのお姉ちゃんは」としか思えず、ゴシックな何かだと感じて興味を持ちませんでした。
 何かのはずみでYouTubeで第一話が流れている事を知り、暇に任せてみたら、ツボにはまった、と。
 ブルーレイはDVDよりもデータ容量が多いのか一枚に七話入っていたりして、一枚毎にみると三時間強かかるという・・・おかげで寝不足・・・って、いつもの事じゃん!!という訳で全て見ました。
 メタルハイドレイドの開発、崩壊によって地球環境が荒廃。それにより地球上の85%の生命が死滅し、人類は地球を脱出。自力で地球環境回復を待つとともに、帰還した後の人類の為に、そして脱出した人類が帰還できなかった時の為に、人類再生のシステムが残された。それが不老不死の存在『プラクシー』。地球上に三百体ばらまかれたプラクシーは争う様に自分の箱庭をつくり、新たなる人類を再生させようと試みるが、それが成功した時こそ、物語の、そして全ての崩壊の始まりだった・・・という感じ?
 様々なプラクシーたちの世界を巡るエピソードがなんとなーく神林長平さんへのオマージュみたいに感じたり、アイシャドーのせいか、ここまですっぴんと化粧姿が区別して描かれたヒロインも珍しいな、とか新鮮でした。そして人類再生が善き事ではなく、その踏み台にされる者たちの悲しみや憎しみが主体として描かれている事が、今までにないのかなぁ、と。美術、世界観も美しく残酷。
 時々、こういうハードSFなアニメが製作されるのが、とても嬉しいです。