もうちょっとで読み終わるけど

 昨日読んだのはコレでした。

銀の匙 Silver Spoon 3 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 3 (少年サンデーコミックス)

 農業高校ものの三巻目。学生といいながら育ち盛りの肉体労働者的な連中が登場人物に多いマンガですが、お祭りの屋台のくだりは・・・それは話のもってき方が違うでしょう!!食材を食べつくす高校生はいいお得意さんなんだから、ガンガン食わせて、ガンガン儲けるでしょうに・・・まぁエピソードの性質上そう描くしかないのだろうけど、でもねぇ・・・なーんか現実から遊離しているエピソードに見えた。
 だからといって他のエピソードなど思いつかないので、書くだけアレなんですが・・まぁ、そんだけ・・・
 そしてこっちがタイトルのもの。 奈良時代後期に叔母、光明皇太后の支援を受けて朝廷を牛耳った男の評伝です。政争に破れた人間なので、あんまりいい評価をされなかったのですが、初期の藤原氏の特徴である、学問に優れた能吏という人で、しかもかなり真面目に国政に向かっていたようです。
 平安以降の貴族の体質は「地下とうちらは住む世界が違うから、連中が飢えても死んでも関わりない」みたいな感じで、ただの寄生虫にしか見えないのですが、奈良時代の官僚貴族は唐の影響を受けているほど、憮民思想を持っていたようです。とはいえ根本的な問題解決はしていないようですが、税の軽減を図ったり、お救い小屋みたいなのをつくったりしています。
 唐招提寺をつくって鑑真を迎え入れたのも彼が中心になってやっていたようで、彼の失脚後は五十年の歳月をかけなければ完成しなかったとか。
 彼の失脚は孝謙太上天皇との政争に破れたから、でしたが、天皇時代から母親である光明皇太后藤原仲麻呂にコントロールされてきた彼女が、母親の死を機に、父聖武天皇に言われたことをより所にして権力奪取をはかったのが真相のようです。
 また仲麻呂も能吏にありがちな事ですが、反対派に飴を与える事をせず、政府を自派で固める事に躍起になっていたようでして、その反対勢力が孝謙太上天皇を支持したのが敗因の一つ、みたいな。
 その後、称徳天皇として政権に返り咲いた彼女ですが、まぁ、政局を混乱させただけで終わった?みたいな。道鏡の件もあるしな。
 古代や中世の日本史を見ていると「持続する意思」というものがかけているような気がします。それが物事の発展が遅々として進まない事につながるのかなぁ・・・とかね。